2026年8月20日(木)、「わたしの江東区プロジェクト」ワークショップの第2回目「水辺で働く・遊ぶ・暮らすコト」を開催しました。
東京湾に面したダイナミックな都市風景から、古き良き酒場や史跡の近くを川が流れる下町の風景まで、江東区にはたくさんの「水辺」の景色があります。
特徴的な橋が架かる河川、和船に乗って江戸情緒を味わえる運河、水上アクティビティを楽しめる公園など、区内全域に多彩な水辺が広がっているのが特徴です。
今回のワークショップでは、そんな江東区の「水辺」の魅力を、誰に、どのように伝え、どう楽しんでもらうかをテーマに、参加者の皆さんがアイデアを出し合いました。
ファシリテーターを務めたのは、多摩大学経営情報学部教授・多摩大学総合研究所所長の松本祐一先生。事業開発支援や、セクターを超えた「協創」のコーディネートに携わり、地域経営論やソーシャルマーケティングを専門とされています。
今回集まったのは、江東区に暮らす人、通勤する社会人、高校生・大学生など、世代を超えた12名。3つのグループに分かれ、江東区の水辺について意見を交わしました。
簡単な自己紹介をした後は、各グループで「最近嬉しかったこと」を話して緊張をほぐす‟アイスブレイク”からスタートしました。
「Instagramを始めて、懐かしい友だちとつながれたことが嬉しかったです」
「仕事終わりにいつも見る池に、今日は鳥がたくさんいてラッキーでした」
「ひとり旅で青森のねぶた祭に行きました」
そんな一人ひとりのパーソナルな部分が見えるエピソードに、自然と笑顔になります。
発表の後には必ず拍手をするというルールも相まって、参加者同士がそれぞれの話にきちんと耳を傾ける雰囲気が、自然と生まれていきました。
ワークショップ前半では、「魅力発信BOOK(仮称)」をつくることを意識しながら、それぞれが知っている・体験したことがある、あるいは気になっている水辺のポイントを付箋に書きこみ、江東区全域が描かれた白地図に貼りつけていきました。
木場公園、清澄白河の倉庫、豊洲ぐるり公園、亀戸天神、小名木川クローバー橋、福富川公園、がすてなーに ガスの科学館、豊洲市場、豊洲 千客万来、越中島、ヨットハーバー、親水公園……。次々とスポットが増えていき、白地図が少しずつカラフルに埋まっていきました。
中には、誰もが知っている有名な場所だけではなく、「小さい頃に親に連れて行ってもらった思い出の場所」、「仕事帰りにいつも見ている池」、「この時間にわざわざ通りたくなる橋」、「昔から思い入れのある公園」といった、その人にしか語れない“わたしの江東区”も出てきました。
そして、ひとつのスポットが出ると、
「そこなら、こんな場所もありますよ」
「そういえば、近くにこんなものもあります」
と話が広がり、次々と新しいスポットが発見されていきます。
こうしてできあがっていったのは、「観光スポットの一覧」ではなく、参加者それぞれの暮らしや思い出が重なった、“わたしの江東区”の地図でした。
ワークショップ後半では、「魅力と魅力を掛け合わせることで何か新しいことができないか?」「今までにない発想で、江東区の魅力をもっと楽しむには?」という視点から、アイデアを膨らませていきました。
「この場所でこんなことができたら?」
「インバウンドに向けてツアーを仕掛けたら?」
「観光客だけではなく、普段暮らしている人が楽しめるものは?」
さまざまな視点から意見を出し合い、少しずつアイデアを絞っていきます。
例えば、あるグループでは「橋」に注目しました。
「橋をめぐるスタンプラリーができないか」
「橋をランニングコースとしてつなげたら面白そう」
「橋のバッジを集める仕掛けはできないか?」
水辺の活用を考えたグループからは、「水辺」を生かしたアイデアが次々に飛び出しました。
「船をタクシーのように使って通勤したい」
「カヤックやSUP、ヨットなど、いろいろな船で水辺を楽しみたい」
「海・運河・川が全部ある江東区だからこそ、水辺をつなげられないか」
ほかにも、
「緑道を活用すれば涼しく歩けるまち歩きができる」
「公園や水辺をつないだランニングコースをつくりたい」
「ポケモンGOのように、まちを歩きながら楽しめる仕掛けを」
「畑やコミュニティガーデンをもっと知ってもらいたい」
このように、スポット単体ではなく、複数の魅力を組み合わせることで、これまでになかった「まちの楽しみ方」が見えてきました。
今回の話し合いで改めて見えてきたのは、江東区にはひとつの言葉では表しきれないほど、多面的な表情があるということでした。
歴史ある神社やお寺、昔ながらの街並みや銭湯が残る下町。
豊洲や有明、お台場など、大規模な開発が進む新しいまち。
そして、その間をつなぐように広がる川、運河、海、橋、公園。
それぞれを知っていても、「23区だけど一味違う落ち着きがある」「老若男女、誰でも楽しめるまちだと思う」など、参加者同士で意見を交わすことで、知っていたはずの江東区の魅力を、改めて“実感”する場面もありました。
ワークショップの最後は、各グループで考えたキャッチフレーズを発表しました。
Aグループは「みずで(と)出会う 橋でつながる」
江東区に数多くある橋と、水辺をキーワードに生まれたキャッチフレーズです。
「みず」をあえて平仮名にすることで、「水」だけではなく、「まだ見ず」=まだ知らない人や場所との出会いという意味も込められています。
水辺を介して、江東区の人と人、江東区内と区外の人が出会ってほしい。
そして、区内に数多くある橋が、人とまちをつなぐ存在になってほしい。
そんな想いが込められています。
Bグループは「Bon Voyage 江東区をこぐ」
「Bon Voyage(ボン・ボヤージュ)」は、特に船旅や航海に対して使われる「いってらっしゃい」「よい旅を」という言葉です。
川や運河からカヤックやSUP、ヨットなどで出掛ける、江東区の水辺への旅をイメージしました。
「江東区をこぐ」という言葉には、水辺を楽しみながら、豊洲やお台場などの開発エリアと下町をつないでいきたいという想いが込められています。
Cグループは「毎秒ワク着く。」
江東区の「ワクワク」と「落ち着く」が共存していることから生まれた言葉です。
「毎日」でも「毎時間」でもなく、「毎秒」。
歩く先々で違う景色に出会い、その瞬間ごとに新しい発見や小さな幸せがある。そんな江東区の多面性を表現しています。
「朝は清澄白河でカフェ、夜は豊洲の近くを走る」「木場公園で鳥を眺める」「新しいものができてワクワクする」。
そんな一人ひとりの体験が重なって、「毎秒ワク着く。」という言葉につながったそうです。
3つのキャッチフレーズの発表を聞いた後には、グループを越えて感想を共有しました。
「同じ江東区を見ているのに、こんな表現になるんだ」
「地域によって色が変わるところが江東区の魅力だと思う」
「有名な場所だけではなく、少し歩けば自分のお気に入りを見つけられるところがいい」
そんな声が聞かれました。
松本先生からも、
「まちの魅力というと、ひとつのシンボルになるものを考えがちですが、シーンや時間が少し変わるだけで、見え方は変わります。だからこそ、いろいろな人が魅力を感じられる。それを伝えるのは難しいけれど、こうして本や言葉にして伝えていくことが大切です」というフィードバックがありました。
今回のワークショップで出てきたのは、単なる「おすすめスポット」だけではありません。
その場所で感じたこと、そこで過ごした時間、誰かとの思い出。
そして、「こんなことができたら」という未来のアイデア。
一人ひとりの視点が重なったことで、これまで知らなかった江東区の姿が浮かび上がってきました。
そして、本ワークショップも、第1回目と同様に、アイデアを出し合い、まちの魅力を知り、「楽しかった」で終わるものではありません。
参加者の皆さんが見つけた江東区の魅力は、これから制作する「魅力発信BOOK」へとつなげ、より多くの人々に届けていきます。
どんな場所が紹介されるのか。どんな言葉が掲載されるのか。
今回生まれたキャッチフレーズ「みずで(と)出会う 橋でつながる」「Bon Voyage 江東区をこぐ」「毎秒ワク着く。」が、これからどんな形になっていくのか。
皆さんの言葉から生まれた‟わたしの江東区“が、これからどんな一冊になっていくのか。
どうぞお楽しみに!
今後も完成までの過程を本ウェブサイトでご紹介していきますので、これからの「わたしの江東区プロジェクト」にも、ぜひご注目ください!
撮影/坪谷健太郎
8月1日(土)ワークショップ「わたしの江東区辞典をつくろう」レポートはこちら