2026年8月23日(日)、「わたしの江東区プロジェクト」ワークショップの第3回を開催しました。
今回のテーマは、小学4〜6年生とその保護者を対象とした「もし、わたしが江東区長だったら、どんな魅力を伝えたい?」。
フォトウォークを通してまちの魅力を探った第1回、学生を中心に「水辺」をテーマに考えた第2回に続き、今回はこどもと大人、それぞれの視点から江東区の魅力を見つめ直すワークショップです。
「自分が江東区のリーダーだったら、どんなことをしたい?」
そんな問いを入口に、今の江東区の魅力を見つけながら、これからのまちの姿を描いていきました。
今回のファシリテーターを務めたのは、地域メディアやまちの編集に携わり、「わたしの江東区プロジェクト」ワークショップ全体の企画・運営も行う、けやき出版代表取締役の小崎奈央子。
2人の子どもを育ててきた経験と、まちの魅力を言葉にし、編集してきた視点を活かしながら親子それぞれの発想を引き出していきました。
自己紹介の後は、こどもチームと大人チームに分かれ、それぞれの視点から江東区について考えるワークがスタートしました。
大人チームでは、暮らし・子育て・レジャーなどの視点から、おすすめしたい場所や好きなところを出し合います。
一方、こどもチームは、絵やシール、言葉を使いながら、自分たちが好きな場所や「こんなまちだったらいいな」という理想の暮らしを自由に表現していきます。
しかし、ワークが始まってしばらくは、こどもチームには無言の時間が続きました。
親子で同じ空間にいながら、それぞれ別のことに取り組む機会は、意外と少ないのかもしれません。少し戸惑う様子も見られましたが、ファシリテーターやスタッフからの呼びかけをきっかけに、少しずつ手が動き始めます。
「大人チームを見学してもいいよ」と声をかけると、こどもたちから返ってきたのは「自分たちでやる」という言葉。自分たちの力で考えてみようとする、頼もしい姿が見られました。
「お菓子はどこで買う?」「友だちとどこで待ち合わせする?」といった身近な問いかけから、少しずつ“わたしの江東区”が言葉になっていきます。
発表では、「かに公園」(かにの形をしたすべり台のある公園)、「あおすべ」(青いすべり台のある公園)など、こどもたちならではの呼び名も登場し、「遊具はひとつだけだけど、いろんなすべり方ができる」「すべり台がやわらかいから安全」「この公園では木と木の間をゴールにしてサッカーをする」といった、実際に遊んだ体験に基づくエピソードも次々と語られました。
大人にとっては何気ない場所も、こどもたちにとっては、遊びや思い出が詰まった大切な場所。こどもたちの「好き」を辿ることで、施設の名前や有名なスポットだけでは見えてこない、日常の中の江東区が浮かび上がりました。
一方の大人チームでは、ワークショップの冒頭から活発な会話が生まれていました。
「ここのこういうところがいいんだよね」といった情報交換や、「カフェに行くと知り合いが多くて、なかなか席を立てない」といった、住民ならではのエピソードが飛び出すことも。
毎日暮らしているからこそ、実は知らない江東区の姿がある。そんな気づきも、今回の対話から見えてきました。
それぞれが知る魅力や生活圏の特徴を付箋に書き出した後は、「これからつくりたいもの」を黄色の付箋に書き出しました。すると、話題はさらに広がっていきます。
新しく住民になった人との交流やプライバシーの問題、好きなスーパーマーケットの話など、日常的に利用している具体的な場所の話も飛び交います。
この日、お祭りが開催されていた地域もあったことで、神輿の担ぎ手不足についても話題に。同じ江東区でも、有明や豊洲などは新たに流入する住民も多く、下町エリアと比べると地域のつながり方や規模が異なることも参加者同士の対話から見えてきました。
グループワークの最後は、大人とこども、それぞれが「もし、わたしが江東区長だったら、何を実現したい?」を考えました。
そんな熱い意見交換を経て、大人から発表されたマニフェストを紹介します。
01|まちの拠点となる「大人もこどもも丸ごとつながるプラザ」
一つ目は、「地域の魅力をみんなのつながりに♡大人もこどもも丸ごとつながるプラザを各エリアに!!」。
今回のワークショップを通して、これまであまり知らなかった地域の魅力に気づいたことが、アイデアのきっかけになったといいます。
こどもが遊べる場所と、大人が仕事や交流のできる場所を一緒につくり、さらにエリアを越えて人がつながる仕掛けも取り入れたい。そんな「まちの拠点」への想いが語られました。
02|世代を越えて集まれる「大人の居場所」
二つ目は、「大人の居場所づくり」。
各エリアにコワーキングスペースや、誰でも気軽に立ち寄れるカフェ、自分の得意を持ち寄れる場、そして新しいビジネスが生まれる場をつくりたいという提案です。
「今日集まった4人で話しているだけでも楽しい」。
そんな実感から生まれたアイデアで、お年寄りから高校生まで、世代を越えて気軽に集まれる場所をイメージしています。
得意なことを持ち寄って習い事や交流ができ、さまざまな活動が掛け合わさることで、新しいビジネスも生まれる。そんな場を江東区ならではの立地・川沿いにつくりたいという想いも語られました。
03|まちの魅力を混ぜ合わせる「まちのマドラー」
三つ目は、「江東区100人カイギ」のような、まちの人々をつなげ、混ぜ合わせる月例交流イベント。
「改めて見ると江東区は広く、知らないことだらけ」という気づきをきっかけに、お互いが知っているまちの魅力を教え合う場をつくりたいと考えました。
今日集まった4人それぞれが知っていることを持ち寄り、新たなつながりが生まれた今回の体験を、「まちの魅力を混ぜ合わせるマドラー」と表現。そのユニークな言葉に、会場からも「いいね!」「わぁ!」といった声が上がりました。
04|一人ひとりが主役になる「まちのリビング」
最後は、「一人ひとりが主役になる『まちのリビング』」。
住む地域や世代によってさまざまな人がいる江東区だからこそ、点が線になり、線が面になっていく可能性がある―。そんな想いから生まれたマニフェスト案です。
人が集える場所をつくり、孤立を防ぎながら、同世代のネットワークや世代を越えたつながりを育てていく。
「支え合い、学び合い、教え合える関係をつくりたい」。
地域の未来を誰かに任せるのではなく、自分たちの手でつくっていこうとする意志が感じられました。
そんなお父さん・お母さんのカッコいい発表を見た後は、こどもたちからも、それぞれの言葉でアイデアを発表しました。
「楽しいアトラクションが近くにあったら嬉しい」「シーソーみたいに、みんなで協力し合えるアトラクションを増やしたい」。豊洲公園のシーソーが好きだから―。
なぜそう思ったのかという理由まで添えて、自分の考えを伝えました。
ゲームをするのが好きだから、「まちのみんなで戦ったり、ゲームをしたりしたい」という声や、「水遊び場をつくってみたい」というアイデアも。
「水遊び場」は、以前、水遊びをしていて怒られた経験があるそうで、「だからこそ、自分でつくりたい」と語る姿には、実体験から生まれた強い想いが感じられました。
また、「スポーツセンターを増やしたい」という提案も。
公園で球技をする際には周囲の住宅や川などに気を使うことがあるため、思いっきり身体を動かせる場所がほしいという理由です。
どの発表にも共通していたのは、「なぜそう思ったのか」を自分の言葉でしっかり伝えていたこと。これには、大人たちからも驚きの声が上がりました。
大人からは、ひとりで3人分くらいの濃い意見が、そしてこれまでのワークショップにはないこども視点のアイデアが集まった第3回目のワークショップは、プロジェクトチームを組んで実現してきたいと思えるアイデアばかりで、とても有意義な時間となりました。